帷くんは秘め事が大好きらしい

危機感に襲われた俺。

慌てて俺も、まどか先輩のことろに駆け寄る。


でも間に合わない。

俺がたどり着くよりも先に、由乃さんの口が開いた。



「あの……まどか先輩……」


「あっ、由乃ちゃん」


「ほんとうに……本当にごめんなさい……」


「えっ?」


あれ?

これって……謝罪?


深々と頭を下げる由乃さんを前に

「えっ? なっ、なんで謝るの?」

まどか先輩は困惑ぎみ。



「実は……私……」



もしかしてこの場で、自分の罪を暴露するつもり?

俺たちを盗撮して、ネットにあげた犯人は自分だって。


お願い、今は黙ってて。

メンタルが病んでいるまどか先輩に、その事実は酷すぎるから!


由乃さんの口を、塞がなきゃダメだ!

俺はまどか先輩の真ん前に行き、由乃さんの言葉を遮る。

< 243 / 263 >

この作品をシェア

pagetop