帷くんは秘め事が大好きらしい


「えっと……由乃さんはね、まどか先輩が体育祭にいないって、一生懸命探してくれていたんだよ。でも見つけられなかったから、自分を責めているんだよね?」


「私……そんなんじゃ……」


「まどか先輩、優しい後輩がいて良かったね」


ごまかしきるため、俺はまどか先輩に極上のウインクを飛ばす。

心が綺麗なまどか先輩は、すんなり信じてくれた。


「そうだったんだ、由乃ちゃんありがとう。心配かけてごめんね」


「そうじゃな……」


それでも真実を話そうとする由乃さん。

遮るのにちょうどいいタイミングで、モモさんが口をはさんでくれた。

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