帷くんは秘め事が大好きらしい
「ぐすっ……まどか…せんっ…ぱい……」
「あぁあ~、まどかが由乃ちゃんを泣かした~」
「あっ、ごめんね。何か嫌なこと、私言っちゃったかな?」
「違うんです……実は……私は……」
まだ、自分が犯人だって暴露しようとしてる。
何とかして、まどか先輩と由乃さんを引き離そう!
「由乃さん、応援席に戻ろ。1年は、やることがあったでしょ?」
「……帷くん? ……やることって?」
「ほら行くよ~ まどか先輩、モモさん、じゃあまたあとで~」
「二人とも、またね~」
俺はなかば強引に、由乃さんを連れ去った。
誰もいない体育館裏まで来て、柔らかい声を揺らす。
「ねぇ由乃さん。本当のことは、言わなくていいんじゃないかな?」