帷くんは秘め事が大好きらしい
壁ドン状態に、なんで甘キュンをプラスしてくるかなぁ……ほんと無理。
帷くんの左手は、私の頭をよしよしよし。
優しくなでられ、Sっけありの甘さに頬が火照る。
「ねぇ、俺だけ?」
「えっ?」
「この数日間ずっと、大好きな人に触れたくて触れたくてたまらなかったんだよ」
笑みが一切ない真剣な顔が、すぐ目の前にあって。
「会えない日が続いて、おかしくなりそうだった」
声が甘々なのに、帷くんはオスっぽく瞳を揺らしていて。
「優しいまどか先輩なら、俺のことを癒してくれるでしょ?」
壁ドン。
ドロ甘。
襲われそう。
私はどうしたらいいの?
恋愛経験の乏しい私は、ドキドキで脈が乱れ狂う始末。
心臓なんて、耳から飛び出そうなほどキュンキュン暴れまくっている。