帷くんは秘め事が大好きらしい



「カ~ット!」



壁ドン状態を解き、満足顔で両手を合わせた(とばり)くん。


「最~高。ほんと良かった。今日はここまでね」


声を弾ませながら、私に背中を向けたことに一安心。



ふぅぅぅ~~、やっと終わった。

ハラハラドキドキな罰ゲームだよ。

いつ心臓が止まってもおかしくない、危険状態だったんだから。



心の中に広がるモヤ。

モヤモヤモヤ。


吐き出したい、ぶつけたい、ちょっとでも。

私に背を向けて立つ帷くんに、弱々しい声を投げかけてみた。


「……やっぱりこういうの……私には無理かなって」


「えっ? いまさら何? 俺の演技練習に付き合うのは、交換条件だったでしょ?」


確かに、そうだけど……

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