帷くんは秘め事が大好きらしい

そんな羞恥心まみれの私に、彼は気づいているのかいないのか。


上機嫌に鼻歌まで歌い出し、私の胸元のリボンをキュッキュッ。

満足そうな顔で、直してくれている。


目のやり場に困るよ

彼より一段、高いところにいるせいだよね?

高身長の帷くんと、顔の高さが同じなんだから。


顔面の距離、近すぎ。

どうしよう……

恥ずかしい……

集まったたくさんの女子達に、見られているのに……



このドキドキは、隠しきれそうもなくて。

心臓よ、静まれ~!

お正月のお参り以上の熱量で願いまくっても、もちろん無意味で。


私の焦りが、なんで帷くんに伝わらないかなぁ?

帷くんは更に私の心を惑わすように、私の耳元に唇を近づけボソリ。

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