帷くんは秘め事が大好きらしい
「かわしま~ まどか~! オマエ、こんなところでさぼってたのか!」
「やばっ、見つかった」
「学園中を探し回ったんだぞ! 放課後は補習だって、言ってあっただろうが!」
人気のない廊下から、俺は部屋の中をチラッ。
どうやら学園一の鬼先生に、生徒が怒られているらしい。
あのポニーテールの女子は、生徒集会で何度も見た。
元生徒会副会長の、川島まどか先輩だ。
隠れるように、まどか先輩の背中に引っ付いている女子がいる。
「川島。補習をさぼって下級生と楽しくおしゃべりとは、いい度胸だなぁ」
「テストの直しをするだけですよね? 家に帰ったらやりますから」
「赤点を取ったら補習。点数が足りなかったら留年。生徒会に入ってたオマエなら、それくらいわかってることだろうが!」
「留年するほど、今までのテストの点は悪くないはずですけど」
「とりあえず今すぐ、補習の部屋に来い! 絶対来いよ! 来なかったら、保護者呼び出しだからな!」
「……はぁぃ」