帷くんは秘め事が大好きらしい


「ったくアイツは。あれでよく、副会長が務まってたよなぁ」と、ぶつくさ文句を言いながら、部屋を出て行った先生。

隠れて見ていた俺は、がっかり感が半端ない。


はぁぁぁぁ~。

副会長の闇の本性、垣間見てしまった感じ。


ステージでマイクを持ち、生徒集会の進行をしている彼女を見た時

――凛としていて、生徒の鏡だなぁ。

尊敬のまなざしを向けたことすらあるだけに、ほんんとガッカリだ。



俺には関係ないことだし、そろそろ帰ろう。

多目的室に背を向け、俺は歩き出した。


が……歩いたのは2・3歩で。

そのまま、足が硬直してしまった。


『まだここにいろ!』

俺の耳が、強く命令をしてきたから。


振り返り、多目的室の窓から再び中をのぞく。
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