帷くんは秘め事が大好きらしい
「まどか先輩、ごめんなさい。私のせいで……」
「陽花里ちゃんが謝ることじゃないでしょ? こっちこそごめんね。私と一緒にいたせいで、怖い思いさせちゃって」
「相談するの、またにします。まどか先輩は、補習に行ってください」
「それはできないかな」
「えっ? なんでですか?」
「陽花里ちゃんは、学校に来るのがしんどいんだよね? 消えられたら楽なのにって、涙が出てきちゃうんだよね?」
「……はい」
「よく今日まで、一人で頑張ってきたね。えらいえらい。ほんとうにえらいよ」
「……グスっ……まどか先輩……」
「怖い思いを必死に押し殺して、勇気を出して私に打ち明けてくれたんだもん。陽花里ちゃんのためにきることは、何でもしてあげたいんだ」
「先生に……怒られちゃいますよ……今すぐ補習に行かないと……」
「明日先生に呼び止められても、聞いてるフリして耳から耳にスルーする術を使うから心配しないで」
「先輩のご両親……呼び出されちゃうかも……」