帷くんは秘め事が大好きらしい
「逆に感謝されるんじゃないかな? 娘が通ってる野いちご学園の見学ツアーに行けちゃったって、お小遣い上乗せしてくれるかも。アハハ、ほんと変な親たちだよね~」
「留年とか……まどか先輩の進路がダメになっちゃうとか……」
「自分が辛いのに、私の心配しちゃう陽花里ちゃん。ほんと優しい。ほんと可愛い」
「っ、、、そんな……」
「私の未来なんて、どうでもいいよ。大事なのは今、この時間でしょ?」
「……でも」
「私は今、陽花里ちゃんと一緒にいたいの。もっともっと、おしゃべりがしたいの」
「本当に……いいんですか?」
「先生に見つからないように、ササッと帰っちゃおっか。私ね、行きたいところがあるんだ。ゾルルカフェって知ってる?」
「写真を撮りたくなるくらい可愛いデザートが充実してるって、クラスメイトが話してるのを聞いたくらいで……」