帷くんは秘め事が大好きらしい


ねぇ、聞いてもいい?

今ここで。



――まどか先輩は、俺に愛されたい?


――俺からの寵愛と引き換えに、嫉妬が渦巻くアンチまみれの世界に足を突っ込むことになる。それでも、闇の世界に引きずり込まれる覚悟はある?

――もしあるのなら……俺が……人生をかけて……



……アハハ。

なにこの、自分勝手すぎる質問。


聞けるわけない、絶対に。

だってまどか先輩は、俺のことを恋愛対象として見てはないんだから。



「帷くん、今からどこに行くの? 決まってなければ、ゾルルカフェに……」


ごめんね。

他人がいる場所は、無理。


二人きりになれる場所に、キミを閉じ込めさせてよ。

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