帷くんは秘め事が大好きらしい
「体育祭の時、私はチアを踊らないよ」
「総監督みたいな立場なんでしょ? 全体を見ながら指示を出す」
理解してくれているのに……
「なんで私に、服を当ててるの?」
鏡の前に立たされて。
洋服を、とっかえひっかえ当てられて。
私、マネキン化しちゃってるんですけど。
「オシャレはリアルが大事なんだよ。チアを踊ってくれる人たちのためでしょ?」
「……うん」
「さぁ~まどか先輩、ちゃんと鏡見て。ビシッと立って」
「はっ……はい!」
そうだよね。
私にできることは全部、やらなきゃだしね。
「この服もまどか先輩に似合う。あっ、こっちも。モデルが完璧だと、服がかすんじゃうんだよね。まどか先輩は、ステージ映えする美女だし」