帷くんは秘め事が大好きらしい


「あっ、ちょっとごめんね」


慌ててローテーブルに走ったまどか先輩。

スマホを持ち、画面を確認。


青ざめた顔で固まって。

取り乱したように、メッセージを打っている。


送信したのかな?

ふーっと溜息をついた、まどか先輩。


ソワソワオロオロし始めたと思ったら、またスマホが震え。

画面を見つめるまどか先輩は、なぜか泣きそうな顔に。

アタフタしながら、俺のもとに戻って来た。


「帷くん……ごめん……」


いきなり、なに?


「私……帰っても……いい……かな?」


「えっ? ちょっと待って。ホットケーキ焼けたよ。一緒に、デコろうって……」


「今すぐ、行きたいところがあって……」


「今? すぐ?」


「どうしても行きたくて……」



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