帷くんは秘め事が大好きらしい
ねぇ、まどか先輩。
行きたい場所って、俺の隣よりも居心地がいいところ?
俺が作ったホットケーキを見捨てても、罪悪感をおぼえない。
それくらい大事な人のところに、行くつもりなの?
引き止めたい。
もっと一緒にいたい。
副総長より、俺を選んで欲しい。
心の中でうねり狂う嫉妬。
覆い隠すように沸き上がってきたのは
『大好きな人に、嫌われたくない』という感情で。
結局俺は、心優しい後輩を演じることにした。
とりあえず、王子様スマイルで声を跳ね上げよう。
「用事ができたなら、仕方がないよ~」
「パンケーキを焼いてくれたのに、本当にごめんなさい」
「気にしなくていいってば。そうだ、俺とRINE交換しよ。チア服のデザインが進んだら、画像送りたいし」
「いいよ」