帷くんは秘め事が大好きらしい

ねぇ、まどか先輩。


行きたい場所って、俺の隣よりも居心地がいいところ?


俺が作ったホットケーキを見捨てても、罪悪感をおぼえない。

それくらい大事な人のところに、行くつもりなの?




引き止めたい。

もっと一緒にいたい。

副総長より、俺を選んで欲しい。


心の中でうねり狂う嫉妬。

覆い隠すように沸き上がってきたのは

『大好きな人に、嫌われたくない』という感情で。

結局俺は、心優しい後輩を演じることにした。


とりあえず、王子様スマイルで声を跳ね上げよう。


「用事ができたなら、仕方がないよ~」


「パンケーキを焼いてくれたのに、本当にごめんなさい」


「気にしなくていいってば。そうだ、俺とRINE交換しよ。チア服のデザインが進んだら、画像送りたいし」


「いいよ」


< 92 / 263 >

この作品をシェア

pagetop