推しとは結婚できません!
目の前にいる奏多を見て目をまん丸にしながら、またすぅと意識が抜けていきそうになる。


小春(こ、これは夢か……?)


小春[そう考えているうちにゆっくり推し様が近づいてきて]

小春[ちゅっと、リップオンが響いた]


奏多が小春にキスする。


小春「はぇっ……えええっ……」

奏多「ん、甘い。」

小春「おお、推しとっ……キスっ……」

奏多「あ、待って待って。また気絶しちゃう前に……俺と結婚するか、決めて?」


にっこり眩しく微笑む。


小春「結婚ですか……?もちろんします!」
(夢の中だもん、このぐらい許されるよね……!!)

奏多(思ったよりあっさり)

奏多「あはは、ありがとう。じゃあよろしくね、僕の花嫁さん」


ぽんぽんと頭を撫でる。


小春「は、花嫁……!あ、あのっ、えっと……じゃあ、ぎゅってしてもいいですか!?」

奏多「……は?」

小春「っ……!!ご、ごめんなさい!夢とは言え流石に恐れ多いことを……!!」

奏多「いや、可愛すぎてびっくりしただけ。いいよ、しよ」


両手を大きく広げた奏多に、息を飲んで抱きつく。


小春「カナトくんっ……好きっ……」

奏多「うん、俺も好きだよ」

小春「ずっと結婚したいと思ってたの。本当に好き」

奏多「あはは、僕もだよ。君が僕のこと、見つけてくれたその日から」

小春「えっ……?」


何かをボソッと言ったカナトにぽかんとする。


小春(い、いくら夢だからってやりすぎかな……?いやいや、だけど推しが出てくる夢だなんて滅多に見られないし!これを置きに気持ち全部伝えないと……!!)

奏多「ねぇ、カナトじゃなくて奏多。いい?」


小春の唇にそっと指を置く。
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