わがまますぎる私に先輩が教えてくれたこと
日曜日、バスケ部は午後練で先輩と同じ5時終わりの予定だった。
「今から新人戦の要項を配る」
先生から珍しくミーティングが始まる。
「莉乃どうしよう、今日待ち合わせしてるのに」
「大丈夫だよ、ちゃんと聞いて」
急いで片付けを終えて部室に戻ってきた穂乃は着替えを急ぐ。
「穂乃、先にLINEしたらいいよ」
莉乃がアドバイスをくれた。
「あっ、そうだね、うん」
穂乃はLINEをして着替えながら返事を待つ。
‘大丈夫だよ、待ってるから’
よかった……
ほっとして思わず笑みがこぼれる。
「大丈夫だった?」
「うん!」
「部室の鍵閉めとくからいいよ」
「ほんと?ありがとう!」
穂乃は急いで門へ向かった。
「穂乃が……ありがとうって言った」
部員の絵里がびっくりしていた。
「あっ、二人に話しとくね……」
莉乃は先輩の事と穂乃の事を1年生部員二人に話した。