わがまますぎる私に先輩が教えてくれたこと

あ〜暇だなぁ……

穂乃はウロウロ歩いていた。


あっ、莉乃と和翔




莉乃は傷口を拭いて絆創膏を生徒に貼っていた。



「さっきこけたときにメガネが壊れてしまって、ほとんど見えてなくて手当てしてもらったら予備のメガネを教室にとりにいこうかと……」


「そうですか、すみません」


和翔は謝った。


手当が終わると和翔はじゃあと言った。


「和くんありがとう」


「俺行くな、今日は一緒に帰れないから」


「わかった」


莉乃は和翔に手をふった。




「はい、これで大丈夫だと思います、また剥がれたら来てくださいね、あの……教室についていきましょうか?見えないんですよね」




「いや救護の仕事があるのにそれは申し訳ないです、壁をつたっていきますから」



「でも階段が危ないですよ」



後ろから声がした。




「穂乃がついていこうか?」




「穂乃、いたの?」




「うん、もう出番ないし連れていってあげる」




「こら、三年生の先輩なんだから敬語使いなさい」



「はーい、じゃあ先輩行きましょう」



穂乃は先輩の腕を持ち、立ち上がらせた。




「いいの?ごめんね」


「いえいえ」



二人は校舎の方に歩いていく。


人見知りをほとんどしない穂乃は話しかけていく。



「予備のメガネなんて持ってるんですね」



「普段は持ってこないんだけど体育祭だったから一応ね」


「何の競技でこけたんですか?」



「いやー、恥ずかしいんだけど退場の時に後ろの人にぶつかられて前の人に当たらないようによけたら自分がこけたんだ」



「よけれるもんなんですね、すご~い(笑)」


穂乃はパチパチパチと拍手をした。

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