わがまますぎる私に先輩が教えてくれたこと
三年生の校舎についた。
「何組ですか?」
「五組、一番奥だよ、えーと穂乃ちゃんだっけ」
「ん?私名乗りました?」
「さっき手当てしてくれた、えっと莉乃ちゃんて子が呼んでただろ?」
「あー、そうでした」
「穂乃ちゃんは優しいね」
「優しい?そんなこと初めて言われました。そんなことないですよ、暇でウロウロしてただけです、超ワガママっ子ですから」
「でも連れてきてくれた」
教室に入る。
「メガネないと困るでしょ、先輩イケメンですし、ちょっとおさぼりもしたかったんで」
「ハハッ、イケメンなんて言われたことないよ、彼女もいたことないし」
そうかな、穂乃は和翔とはまたタイプの違うイケメンだと思うけどな〜
「あっ、席はどこですか?」
「廊下から二列目の後ろから二番目」
「狭いので手を繋ぎますね」
穂乃は手を繋ぎ席まで連れていく。
先輩は机の中から予備のメガネを出してかけた
「あれ?」
目の前には誰もいなかった。
「ふふっ、後ろです」
穂乃は手を振っていた。
「見えました?穂乃でーす」
「かわいいというか美人だね」
いきなりで穂乃は少し頬を赤らめた。
まあよく言われるけど、こんなに近くで言われたのは初めてだ。