わがまますぎる私に先輩が教えてくれたこと


「でもそういうとこから直していかないと社会に出たとき自分が困るよって穂乃ちゃんには言いたいかな」



「そうなの?あっ、そうなんですか?」


真面目に話してくれた先輩なのにぼーっと聞き入っていた。



「部活は入ってる?」



「バスケ部です」



「じゃあ先輩にはできるんだからやろうと思えばできるんだよ、僕が注意してあげようか?」



「どうやって?……ですか?」



「仮の彼、彼女ってことで、僕にちゃんと後輩としての態度がとれるようになればいいだろ?少しずつ直していかないとね、穂乃ちゃんは優しいし僕も美人には弱いかな~(笑)


彼女のこと悪く言われるのは男だって嫌だしね、一年生につきあってもいいよって言われるのも穂乃ちゃんが男を上から見てるってことでしょ?」



「……すみません、今まで誰もそういうこと言ってくれなかったから」




「そういう小さいことが積み重なって誤解もされて広まっていくんだよ、やればできる子だと思うけどね、僕を連れてきてくれた穂乃ちゃんは本質は優しい子なんだよ」




「いえ……」

穂乃は言葉が出なかった。



あたしが優しい?


サボろうとしたのに?



先輩は穂乃が優しい子って思ってくれるの?



「あの名前教えてください、私は内谷穂乃です」


穂乃はしっかりと顔をあげて名乗った。




「僕は増本俊之(ますもととしゆき)だよ」



「これからどうすればいいですか?」




「とりあえず救護テントに行って莉乃ちゃんにお礼を言うよ、穂乃ちゃんも来る?」



「はい」



二人は教室をでた。

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