わがまますぎる私に先輩が教えてくれたこと
「……穂乃ちゃんがさ、今のままでいいなら只の知り合いになるけどこれからどうする?」
「もし仮にでも彼氏になったら穂乃のこと可愛がってくれますか?」
先輩は考えていた。
「それは自分の彼女は可愛がると思うけど部活が土日も1日なんだよね、毎日会いたいとか言われると困るかな、まあ土日は5時までだけど、それからで良ければ会えるよ」
「土日しか会えないんですね……」
「そう…なるね」
「……」
「穂乃ちゃんも平日は部活あるだろ?」
「あり……ますね」
「自分で提案しといてなんだけど、やっぱり無理かな、ごめん、僕も美人な彼女が欲しかったってちょっとよこしまな考えがでたのかも……やっぱり……」
「あの……バスケ部四人いて三人とも彼氏がいて毎日一緒に帰ってるの見ると楽しそうだな~って思うんです、帰りは五人で二組のカップルと帰ってるから私はいてもいいのかなって思う時があります」
穂乃、何言ってるんだろ、先輩の話を途切れさせて、自分の愚痴言っちゃって……
「でもそれは電車通学だから仕方ないし、平日に僕と話すために待つのは帰りも遅くなるからね、僕は最後に部室を閉めなくちゃいけないしみんな色々な場所で練習してるから待ってからになるから帰りが遅いんだよね」
「わかりました、土日に会いたいです」
先輩は頷いてくれた。
「じゃあ、お試し付き合いしてみる?」
「はい」
「莉乃ちゃんは彼氏といても穂乃ちゃんとは話さない?」
「それはない……です」
「じゃあ一緒に帰るといいよ」
先輩はベンチから立つ。
「駅まで送るよ」
「でも……」
「20分が30分になるくらいは構わないよ(笑)」
「はい」
二人は駅に向かって歩き出す。