猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
風音ちゃんだって、千茅くんだって……誰も気づかなかった。
「なんで体調悪いの隠してるんですか」
「隠してるわけじゃ……」
「じゃあ、朝電車で会ったとき、どうして僕に何も言わなかったんですか」
「そ、それは……」
「僕に心配かけたくないから?」
「ぅ……だって迷惑かけちゃうし」
それに、わたしが自分の体調管理をうまくできてなかっただけだし。
「咲桜先輩は人に気を使いすぎです」
「そう……かな」
「もう少し周りに甘えてみたらどうですか。あと、無理するのはダメです。つらいなら、ちゃんと教えてください」
「ご、ごめんね。ほんとにただの寝不足っていうか、頭が働かないだけで……」
急に柚和くんの顔が近づいてきて、キスできそうな距離でピタッと止まった。