猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



「困ったわねぇ……。那花さんのご両親が迎えに来られないってなると、那花さんひとりで帰ることになってしまうし……」


「あの、わたしひとりでも帰れま――」

「先生。僕が家まで送り届けます」


「でもあなた午後の授業があるでしょ?」


「先輩を送り届けたらすぐ戻ります。今は先輩のことが心配なので許可してもらえないですか」


なんでこんな優しいの……?

いつもみたいに先生の前だから猫かぶってるだけ……?


それとも、ほんとにわたしを心配してくれてるの……?



「まあ、こんな状態の那花さんをひとりで帰すのは心配だし……。わかったわ。那花さんを送り届けたらすぐ戻るのを条件に、わたしが許可するわ」

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