猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



養護教諭の先生が、わたしと柚和くんの担任の先生に事情を説明してくれた。


こうして柚和くんが家まで送ってくれることになったんだけど。


「あの、柚和くん……? わたしひとりで歩けるよ?」

「足元ふらふらしてましたよ」


「ぅ……でも重い……でしょ?」

「全然軽いですよ」


足元がおぼつかないわたしを、柚和くんがおんぶしてくれてる。


わたしのカバンまで持ってくれて、ぜったい大変なのに。


「もっと身体あずけていいですよ」

「それじゃ柚和くんがつぶれちゃう……」


「僕そんな貧弱じゃないですから」


柚和くんの背中は、広くて温かくて……すごく落ち着く。


意外としっかりしてて、男の子なんだなってドキドキしちゃう。


柚和くんの体温に包まれると、不思議とぜんぶをあずけたくなる。

風邪のせいでそう思ってるだけ……かな。

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