猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
でもすぐに、前みたいな優しい顔で笑いかけてくれた。
「人を頼ったりすることも大事だと思うので。あまり無理しないでくださいね」
あぁ、どうしようどうしよう。
また胸がドキドキうるさいよ。
まだ出会って間もないのに、こんな気持ちになるなんて。
きっとこれってひとめ惚れ。
だって、こんな完璧なイケメン後輩くんに優しくされたら、誰だって夢中になっちゃうよ。
那花咲桜、17歳――どうやら後輩くんに恋してしまったみたいです。
* * *
「さ……くら……」
「…………」
「咲桜ってば」
「……はっ! 風音ちゃん!」
「どうしたの、ボーッとして。何か考え事?」
「考え事っていうか、悩み事というか。風音ちゃん聞いて!」
ホームルームが始まる前。