猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



風音ちゃんが、わたしの耳元でこそっと言った。



「さっきまで制服着てたし、髪もおろしてたから目立たなかったんだろうけど。いや、それにしても本人が自覚ないってどういうことよ」


「うっ、風音ちゃん教えてよぉ……」


なんのことやらさっぱり。

なぜか風音ちゃんがひとりで呆れていくばかり。



「首元……絶妙なところに紅い痕ついてるよ」

「紅い痕?」


「たぶんそれキスマークでしょ」

「キス、マーク……?」


「そう。しっかり残ってるから間違いないよねぇ」


「……うぇぇ!? キ、キスマーク……!?」

はっ、しまったぁ。

びっくりしすぎて大声で叫んじゃった。


「ま、まってまって。いったい誰がつけて……」


ここでポンッと柚和くんの夢が思い浮かぶ。

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