猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
夢の中でなら、柚和くんに触れられたような気はするけど。
いや、だからそれはたぶん夢で。
ん? だとしたら、これをつけたのは誰?
「咲桜ねぇ……まさか意識ないときに何かされたわけじゃないでしょうね?」
「い、意識はあったような、なかったような」
「どっちなの」
「いや、でも夢の中のことだと思ってて」
「夢だったら、こんなきれいに痕残らないでしょうが」
風音ちゃんが貸してくれた鏡には、真っ赤な痕がたしかに映ってる。
「でも、柚和くんいつもと態度変わらなかったし……」
「あらま。梵木くんにされたってことか」
「っ……!! いや、わたしの妄想かもしれないし!!」
「なんかわたしの知らないところで進展してるんだねぇ。いつの間にそんな仲になったの?」