猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



「あ、えぇっと……しばらくこうしててほしい、です」

巻き込んじゃって申し訳ない。


でも、今ここで柚和くんには会いたくない。


「いきなりどうしたの?」

「ちょ、ちょっと隠れなければならない事情がありまして」


これじゃ全然理由になってない……!


すると、千茅くんがくるっと周りを見渡した。


そして何かを察したかのように、ボソッと言った。


「あー……また彼か。なるほどね」

すぐに千茅くんの目線が戻ってきた。

そしてわたしを数秒じっと見たあと。


「ってか、この角度いろいろヤバいね」


普段どんなときも表情を崩さない千茅くんが、少し動揺してるようにも見える。


それに、ちょっと顔と耳が赤いのは気のせい?

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