猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
「千茅くん?」
「普段の那花さんも可愛いけど……その無自覚な上目遣いは反則だな」
「え、えぇ!?」
はっ、しまった。
ちょっと大きな声出しちゃった。
柚和くんはもう通り過ぎた……よね?
「こんな至近距離で可愛く見つめられたら、さすがに俺もやられちゃうよ」
「じゃ、じゃあ、あんまり見ないでおきます」
なんだか今の千茅くんは、いつもと違って言葉が甘くてストレート。
それがなんだかむずがゆく感じる。
「どうして? もっと見せてよ、俺だけに」
千茅くんの大きな両手が、優しく包み込むみたいにわたしの頬に触れて、バチッと視線がぶつかる。
「ち、千茅くん……近い……っ」
「そう? だって隠れなきゃいけないんだよね?」
さらに近づいてきて、身体がピタッと密着してる。