猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
「咲桜はいろんな情報に疎いもんねぇ。咲桜くらいじゃない? 梵木くんのこと知らないの」
「えぇ……そんな有名人だったの?」
自分の情報の疎さに、自分でびっくりしたよ。
風音ちゃん情報によると、梵木くんは学年問わずの人気ぶりらしく。
見た目が完璧なうえに、かなりの秀才。
入学試験は満点でトップ合格。
それを鼻にかけてるわけでもなく、むしろものすごく謙虚で温厚な性格。
みんなに優しくて誰もが憧れる、まさにお手本のような優等生――それが梵木柚和くん。
「まあ、あれだけ完璧でおまけに優しくされちゃうと、咲桜みたいに夢中になる子も続出するよねぇ」
「か、風音ちゃんどうしよう」
「ん? なにが?」
「梵木くんのこと考えるだけでドキドキしちゃって……!」