猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
キスはただの気まぐれ?
柚和くんとキスした。
首筋に真っ赤な痕がふたつ、鏡にはっきり映ってる。
これは夢でもなんでもなくて。
ぜんぶ意識あったし、なんなら唇に残ってる感触も消えてない。
「うぅ……ますます柚和くんに会うの気まずい……」
キスしたあの日。
わたしがキャパオーバーになって、離れるのを惜しむようにキスが止まった。
それからわたしの頭はずっとふわふわしてて。
気づいたら自分の部屋にいた。
キスのあと、柚和くんが何か言ってた気もするけど。
正直それどころじゃなくて、柚和くんとはそのまま別れてしまった。
そして休みに入ってしまい――週明けの今日に至る。
休みの日は、ずっと柚和くんのことばかり考えて。
キスのことを思い出すたびに、身体がぶわっと熱くなって。