猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
今もまだ……唇の感触が強く残ってる。
うぅ、ダメだ。
こんな調子で今日から学校って大丈夫かな。
また柚和くんと会うのが気まずい……。
いや、今回はさすがにキスしたのに平然としていられるわけないよね。
と、とりあえず、しばらく柚和くんとは会わないようにしよう。
もう少し落ち着いてから話を――。
「あ、咲桜先輩」
そうそう、こうやって柚和くんに声をかけられてもスルーして……。
……って、え?
な、なぜいま柚和くんの声が?
「おはようございます、咲桜先輩」
「っ!? え、え!? な、なななんで柚和くんがここに!?」
今わたしは自分の家を出たところで。
な、なぜいるはずのない柚和くんが、わたしの家の前に!?