猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



「あんまり遅くなると生徒指導の先生に怒られちゃうんで、早く行きましょ」


が、しかし、柚和くんは平常運転。


もはやキスしたことを忘れてるんじゃないかってレベル。


わたしは休みの日ずーっと考えてたのに。


満員電車に乗ってる今だって。


「僕の顔に何かついてます?」

「う、ううん。なんでもない……!」


柚和くんの唇に目がいくの、どうにかしたい……。


逆にわたしが意識しすぎなの?


それとも、柚和くんにとってあのキスは別に大したことじゃなかったとか?


だから、キスについて何も触れてこない……のかな。

なんだかわたしだけが空回りしてる。


「咲桜先輩。もっと僕のほうに身体あずけていいですよ」

「ぅ……きゃ」

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