猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
梵木くんはみんなの憧れで、梵木くんの特別になりたい子はわたしだけじゃないって。
「僕に伝えてくれた想いはしっかり届いたよ。気持ち伝えるって勇気のいることだよね。ありがとう、僕を好きになってくれて」
女の子はコクッとうなずくと、涙を隠すように梵木くんの前から立ち去った。
梵木くんに彼女がいないことは知れたけど。
本人に恋愛する気がない=わたしも振られる、というルートが完成。
つまりこれは、わたしが梵木くんにアピールしたところで、迷惑なだけなのでは?
ひとめ惚れから始まったわたしの恋は、すでに叶わず撃沈寸前。
でも、今の梵木くんを見て思った。
自分を好きな相手からの告白を断るのは、きっとつらいこと。