猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



けど、相手の気持ちを汲み取って、言葉を選んでるところが優しい梵木くんらしいな……と。


だから、わたしもここで梵木くんへの想いを胸の中にしまって。

梵木くんの気持ちを優先して――。


「チッ……時間だいぶ無駄になった」

……ん? んん??


「はぁ……告白とかほんとだるい」

あれ、いま喋ったのは誰?


「ってか、一度断ったんだからそこで折れてくれたらよかったのに。しつこいよなぁ」


え、えっとぉ……これはいったい。


梵木くんが、まったく梵木くんらしくないセリフを吐き捨てているのですが。


さっきまでの優しい笑顔はどこへやら。


口角まったく上がってないし、表情筋死んでない!?

< 20 / 168 >

この作品をシェア

pagetop