猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
あるわけないですよねー……。
声のトーンからして、わたしがここにいるのを知っていたかのよう。
「さっきから僕のあとつけてきてますよね?」
あぁ、そこまでお見通し。
ここまで来たら、逃げ場なし。
恐る恐る扉を開けて、中を覗き込むと。
「あー……なんだ。先輩だったんですね」
ソファにドーンと座って、脚を組んでる梵木くん。
「どうぞ、中に入ってきてください。いろいろ聞きたいことあるんで」
“いろいろ聞きたいことあるんで”ってところだけ、声のトーンがすごく低かったけど……!!
逃げられるわけないよね?って、圧すごいし。
中に入って話をする、これ一択しかない。
「それで、どこから見ていたか洗いざらい話してください」