猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
まさか風音ちゃんのほうから梵木くんの名前が出てくるとは。
「噂で聞いたんだけど、梵木くんって学園でかなり特別扱いされてるらしいんだよね」
「へ、へぇ」
「お父さんが大企業の社長さんみたいで、学園に結構寄付してるらしいよ」
「な、なるほど」
あぁ、だからあの梵木くん専用部屋みたいなのが許されてるんだ。
つまり、梵木くんに逆らう=学園ごと敵にまわす……みたいな?
ひぃぃ……なんて恐ろしいの……!
裏でいろんな権力が働きそう。
「咲桜が憧れるのも無理ないね。何もかも揃ってるから、まさに完全無欠って梵木くんみたいな子をいうのかもねぇ」
たしかに、ほんの少し前までは憧れてたよ。
けど、あの裏の顔を知っちゃったら、なんと返していいのか。