猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
「髪痛くないですか?」
「あっ、大丈夫です!」
「きれいな髪なので大事にしないと」
最後に軽く毛先に触れながら、にこっとわたしに笑いかけた。
この笑顔が、一瞬で脳裏に焼きついた。
胸のあたりがざわざわしてる。
「大丈夫ですか?」
「うひゃっ……だ、大丈夫です……!!」
いきなり顔を覗き込まれるの心臓に悪い……!
しかも地味に距離が近いし!
思わず少し後ずさりすると。
「じゃあ僕はこれで」
最後にわたしの頭を軽くポンッと撫でた。
これだけで、わたしの心臓の音はさらに加速中。
……って、ちょっとまって。
てっきり男の子は改札に向かうと思ったのに。
なぜかホームで次の電車を待ってるではないですか。