猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。


それに。


「……ダメなんて言われたら、もっとしたくなるのに」

「ひゃ……ぁ」

今わかりやすく体温があがった。

だ、だって今……微かに梵木くんの唇がわたしの耳たぶに触れて。


「先輩気づいてる?」

「ふぇ……」


「そういう反応、めちゃくちゃそそられるって」


耳たぶに触れてるだけの唇が、わずかに動いて。


少しだけ強い刺激のせいで、肩がピクッと跳ねちゃった。


「い、いま……耳たぶ……か、噛んだ……っ」


ぜったいからかわれてるだけなのに。

わかりやすく反応しちゃうのやだ。


「さっきよりも顔真っ赤……かわいー」

「なぅ……」


い、いつもの梵木くんじゃない。


それに、これが本心とも限らない。

だって、梵木くんは自分を隠すのが上手だから。

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