猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



わたしの唇を、ふにっと軽く指で押しながら、イジワルそうに片方の口角をあげて笑ってる。


「あ、また顔真っ赤。少し触れただけなのに」


「うぅ……もう見ちゃやだ……!」


梵木くんの胸に顔を埋めると、なぜか愉しそうにクスクス笑ってるの。


「ほんと先輩って反応がいちいち可愛いね」

「イジワル……」


梵木くんの胸をポカポカ叩いてみるけど、効果なし。

触らなくてもわかるくらい、自分の顔が熱くて赤いのがわかる。

こんな顔見られたくない……のに。


「咲桜先輩、顔あげて」

「う、やっ……」

「先輩の可愛い顔見たいなぁ」


ぜったいからかってるだけ。

だって声が愉しそうだもん。


首をフルフル横に振っても、梵木くんは折れてくれない。


「……咲桜先輩」

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