猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
「み、耳はダメって……あっ、うぅ……」
ぜったいわざと耳元で名前呼んだ。
そのせいで反射的に顔をあげちゃった。
「ふっ、顔見せてくれた」
「だ、だからぁ……梵木くんずるい……」
ぷくっと頬を膨らませて、きりっと睨んでみた。
「ほらそうやって無自覚に煽ってくる」
「梵木くんの言うこと聞いただけなのに……っ」
「だからこういうことしたくなるんだって」
「……?」
「咲桜先輩に、こんなことしたらどんな反応してくれるんだろうとか……考えると興奮するんですよね」
「っ!?」
「――で、実際やってみると、想像より可愛い反応されるから止まんなくなる」
これは本心なのか。
それとも単純にわたしをからかってるだけなのか。
「俺、咲桜先輩には弱いみたい」