猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
萩野くんの目線が、梵木くんに向いた。
「そっか……那花さんのペア男の子だったんだ。いろいろ心配だな」
「し、心配?」
あっ、もしかしてわたしが先輩として引っ張っていけるか心配してくれてる?
それなら大丈夫だよって言おうとしたら。
今度は梵木くんが。
「ねー、咲桜先輩。この人と先輩の関係は?」
萩野くんから引き離すみたいに、グイッとわたしを抱き寄せた。
「えっと、萩野くんは同じクラスでね! いつも明るくて爽やかだし、すごく頼りがいがあって……」
「……で、咲桜先輩との関係は?」
うわぁ、なんか機嫌悪くない?
いつもより声のトーンがだいぶ低い気がするよ。
「クラスで仲良くしてくれてる友達だよ!」