猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



「僕は何もしてないですよ」

「……指に触れてきたじゃん」


少し上を向いて、梵木くんに目線を合わせると。


指を絡めるみたいに両手をつながれて、わたしの脚の間に……うまいこと梵木くんの脚が入ってきた。


「だって咲桜先輩が俺を見ないから」

「そ、梵木くん……らしく、ない」


「俺らしくないって?」

「わ、わかんない……けど」


「わかんないのに言っちゃダメでしょ」


ぜったい逃がしてくれない、この距離危険。


気まぐれな梵木くんの甘さに騙されちゃいけない。



* * *


とある日のお昼休み。

風音ちゃんとお昼を食べようとしたら事件発生。


「な、なにこのメッセージ!?」

「急に大声出してどうしたの?」


突然梵木くんからスマホにメッセージが届いた。

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