猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



「咲桜先輩はお人よしですね」


なんて言いながら、わたしのお弁当のバッグをひょいっと奪った。


「これ僕のために持ってきてくれたんですよね?」


「え? いや、それわたしの分――」

「わー、うれしいなぁ。ありがとうございます」


「ちょっ、わたしの話聞いてた!?」


どうやら梵木くんの耳は都合の悪いことは聞こえないようになってるらしい。

なぜかわたしのお弁当を分けて食べることに。


「うぅ、わたしの食べる分が減ってる……」

「僕も同じくらいですよ」


そもそもひとり分の量なんだから、ふたりで食べたら足りないに決まってる。

あっという間に食べ終わっちゃった。


これぜったい午後の授業お腹空くじゃん。

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