猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
あ、それかまだ少し時間あるし、購買で何か買ってこようかな。
「ねー、咲桜先輩」
「な、なんでしょう」
急に隣に座ってる梵木くんの身体が、グラッと揺れて。
わたしの膝……というか、太ももの上に梵木くんの頭が乗ってきた。
「先輩僕の名前ちゃんと知ってます?」
「し、知ってるけど! その前にこの体勢なに!?」
「膝枕です。おとなしくしてないと僕の触り放題ですよ」
「っ!?」
なんて言いながら、わたしのお腹のあたりに顔を埋めてギュッてしてくる。
「――で、僕の名前知ってるなら呼んでみて」
「梵木くん」
「はぁ……」
え、え? なんでため息!?
言われたとおりにしたのに!
「僕の話ちゃんと聞いてました?」
「き、聞いてたよ!」