猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
「そうです。僕いつも咲桜先輩って呼んでますよ」
そ、それはたしかにそうだけど!
いきなり下の名前で呼ぶって、ハードル高くない?
ただ呼び方を変えるだけなのに。
慣れてないってだけで、異常にドキドキするのはどうして……!
恥ずかしすぎて耐えられない……!
逃げるようにパッと下を向いて失敗。
「先輩いつも恥ずかしがるとき下向きますもんね」
「うぅ……」
「今日は僕が下から見てるんで、顔隠せないですね」
まるでわたしの行動を予測してたかのよう。
愉しそうにわたしの反応を見てる。
「ね……呼んで、咲桜先輩」
「っ……」
わたしの頬に、柚和くんの大きな手が触れて。
優しくゆっくりした手つきで撫でてくるの。
「ゆ、わ……くん」