猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
先輩後輩、立場逆転。
気づけば6月の上旬に差し掛かる頃。
那花咲桜、いま高校生活最大のピンチを迎えております。
「那花……お前次の期末テストはわかってるよな?」
「といいますと……?」
お昼休み。
突然担任の平山先生に職員室に呼ばれまして。
「自覚がないとは何事だ。お前、中間テストのこともう忘れたのか?」
あぁ、そういえば、中間テストあんまりいい点数じゃなかったっけ。
もともと勉強はそんなに得意じゃないし、いつもなんとか乗り越えてたけど。
先生から呼び出されたということは、結構まずいのかもしれない。
「今回の期末テストで1教科でも落としたら、夏休みはほぼ毎日補習だ」
「えぇ!! そ、そんなぁ……」
つまり、全教科しっかり勉強して、いい点を取らなきゃ夏休みはないってこと……!?
「先生もな、お前にはそんなことになってほしくないから、こうして早めに声をかけたんだよ」
たしかにまだ期末テストまで期間あるけど。