猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



* * *


「ゆ、柚和くん何か企んでる?」

「急にどうしたんですか」


「柚和くんがなんの見返りもなく、わたしに勉強を教えてくれるなんて」


「ひどいなぁ。先輩は僕のことなんだと思ってるんです?」

「いや、だって!」


柚和くんいつも猫かぶってるじゃん!

……って言ったら笑顔で舌打ちされそう。


「先輩のことだから、期末テスト1教科も落とせないくらいピンチなんだろうなぁって」

「うぬ……」


「だから僕が咲桜先輩の役に立てたらうれしいなと」


こ、これは純粋にわたしを助けようとしてくれて――。


「あ、もちろん勉強教えたら、それなりのことはしてもらいますけど」

< 72 / 168 >

この作品をシェア

pagetop