猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。



このまま倒れちゃったりしたらどうしよう――。


「大丈夫ですか?」

少しボヤッとする意識の中、はっきり聞こえた声。


あれ、どこかで聞いたことあるような。

ゆっくり顔をあげたら。


「あ……この前の」

さっきまでの気分の悪さが、ぜんぶ飛んでいきそう。

それくらいびっくりして、思わず目をぱちくり。


「また偶然会いましたね。今日は体調悪いんですか?」


まさかのまさか。

あの男の子と再会できるなんて。


これは偶然というよりミラクルなのでは。


「この前会ったときより少し顔色悪いですし。無理してないですか?」


優しい、優しすぎるよ。

わたしが体調悪いことにも気づいてくれて、心配して声をかけてくれた。

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