猫をかぶった完璧イケメンくんが、裏で危険に溺愛してくる。
こんな王子様みたいな理想の男の子、今まで出会ったことない……!
「もし話すのもつらかったら、僕に寄りかかってください。これだけ人が多いと、小柄な人は大変ですよね」
わたしが苦しくならないように、少しスペースを取ってくれて。
おまけに、わたしが寄りかかれるようにそっと抱きしめてくれた。
「ご、ごめんなさい。この前から迷惑ばかりかけちゃって」
「いいえ、気にしないでください。それより、同じ学校の先輩だったんですね」
「え?」
あれ、たしかによーく見ると男の子の制服めちゃくちゃ見覚えある。
それに、校章の色がわたしの学年のひとつ下の赤色。
つまり、彼は同じ学校でしかも後輩くん。
名前は梵木柚和くんっていうらしい。