喫茶店の悪魔

今のように、真顔で無表情で、笑った記憶がないくらいの中学校生活。

言葉をうまく相手に伝えることができなかった。笑顔をうまく作れなかったことを覚えている。

友達ができても、どう接すればいいのかわからず、冷たい態度をとってしまう。

面白いことも言えない。作り笑いも下手。

失敗ばかり。

周りの「面白い」がわからず、笑えない毎日。空気もノリもよくわからない。


全てがうまくいかなかった。


気づいたら近くに誰もいなかった。


「あの東條ってやつ?まじ怖いよな」

「それな。前、消しゴム拾ってあげたのに睨またわ」


陰口をたてられていることもよくわかっている。話のネタにされているのも聞こえてた。


失敗しても、ドジでこけても、笑って慰めてくれる人もいない。必ずひとりだった。


当然なんだ。私は、ずっとひとりなんだ。


無駄に成績だけはよかった私は、先生や親から偏差値の高い高校を目指すよう言われた。

高校にも行きたいとは思わなかったけど、なにも考えず毎日勉強していた。


「えっ」


私の番号が書いていない。どうやら受験に落ちたらしい。周りの奴らが喜んでいる声が大きく聞こえた。
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